中学受験の志望校選びの罠、大学合格実績と偏差値の謎|6年後を見てしっかりと選びましょう
中学受験の志望校選びの罠、大学合格実績と偏差値の謎についてこの記事をご覧いただきましてありがとうございます。
【関西中学受験体験ブログ】目指せ中学受験!サイト管理人のコッコママと申します。
この記事では、中学受験の志望校選びの際に、偏差値を見て選ぶんか、大学進学実績を見て選ぶのかその時のえっ?と思う事は無いでしょうか?その進学実績と偏差値という数字の謎についてを、
- 中学受験の志望校選びの罠、大学合格実績と偏差値の謎|バブルの理屈のバブル偏差値
- 中学受験の志望校選びの罠、大学合格実績と偏差値の謎|お試し受験に選ばれる学校は上がりやすい
- 中学受験の志望校選びの罠、大学合格実績と偏差値の謎|人気があると進学実績が良いは別
以上の項目に沿ってご紹介させて頂きます。
中学受験の志望校選びの罠、大学合格実績と偏差値の謎|バブルの理屈のバブル偏差値
2019年の中学入試に向けて、志望校選びもいよいよ正式に決定している方も出てきている時期に差し掛かりましたね。
現在6年生の2019年の受験生のいるご家庭では、模試の結果と偏差値表を見比べるという作業がご両親の間で行われているかと思います。
我が家も昨年は、その作業とため息の繰り返しでした。
しかし、今思えば偏差値が高いからといっていい学校とは限らない?とも思えてきたのです。
学校に対する価値評価は人それぞれでだと思うのですが、単なる入試難易度を示す偏差値のような単純なモノサシでは測れないのではないか?と思うのですね。
中学受験における偏差値が複雑怪奇になりすぎて、単純な数字として比較ができなくなっているという記事も読みました。
その記事の中では、バブル偏差値というワードが出てきて、いくつかの条件が重なると、偏差値が異常値を示すことがあるそうなのです。
まず前提として、最近では、できるだけ多くの受験生を集めたい私立中高一貫校は、入試回数を増やす傾向があるようです。
例えば関東では首都圏の、のべ中学入試回数は約1200回くらいあるそうです。学校数は約300校。1校あたり平均約4回の入試を行っているという計算になります。
例えばAという学校に行きたいと思っても、1回目の入試を受験するのか、2回目の入試を受験するのか、特進コースの枠を狙うのかによって偏差値が異なるのです。
入試回数を増やして1回あたりの募集定員を減らせば、倍率は上がりやすくなります。倍率が上がれば結果偏差値(各受験生の模試での偏差値を、実際の中学入試での合否結果と照らし合わせて算出されるので、80%の確率で合格できることを示す偏差値を「80%結果偏差値」、50%の確率で合格できることを示す偏差値を「50%結果偏差値」などと呼ばれているようです。)も上がります。
特進コースのような特別枠の入試を設定し、合格者をごく少数に絞るのはまさにそういうケースに当たるそうです。
午後入試は偏差値が高めになる
入試日を変えることでも偏差値は変動するようです。
例えば関東の首都圏の中学受験では、2月1日の午前中の入試を、2月2日以降に変更すると、偏差値は上げやすいみたいです。2
月1日は東京・神奈川の私学の間で取り決められた中学入試解禁日。御三家をはじめとする難関校が一斉に入試を行います。しかしどこか一つを選ばなければならなりません。だから優秀な生徒が分散しますよね。
しかし、たとえば御三家の一角が、仮に2月2日に入試日を変更したらどうなるでしょうか?
おそらく2月1日に別の御三家やそのほかの難関校を受けた受験生が、2日にはその学校に集中する事でしょう。
それだけで倍率は高騰し、結果偏差値も上がるという仕組みなのです。
さらに最近では関西でも午後入試も盛んですよね。
午前中に1校受け、急いで移動し、午後にもう1校受験する。昨年は我が家の長女のコッコちゃんもこのパターンでした。
中学入試のダブルヘッダーですが今では、当たり前の事になりつつあります。
関東の場合たとえば2月1日の午後の入試には、同じ日の午前中に難関校を受験し終えた受験生が集まるため、ここでも結果偏差値が高めに出るようです。2月1日の午前と午後の両方に入試を行う学校で、総じて午後入試の結果偏差値のほうが高くなるのはそのためだそうです。
しかし、そういう学校では入学辞退者が多くなるケースが多いのです。だからその分定員の何倍もの合格を出していることも多くなります。実際には合格者の上位層が抜け、下位層が入学する事が多いとのこと。実際の入学者の偏差値は、見た目上の結果偏差値よりも低くなりやすいのですね。
中学受験の志望校選びの罠、大学合格実績と偏差値の謎|お試し受験に選ばれる学校は上がりやすい
同じ理屈で考えると、関東では千葉・埼玉では偏差値が高く出る傾向があるそうです。
東京と神奈川の私立中学の間では、2月1日を入試解禁日とすることを取り決めているようですが、千葉・埼玉では1月中旬から入試がはじまります。
2月1日の本命入試を前に、東京や神奈川からいわゆる、おためし受験にやってくる受験生が多く、受験者数が非常に多くなります。
2月には超難関校を受けるような受験生もやってくるために、複数回ある入試日程のどこかで定員を絞れば、その入試の結果偏差値は高めに出ます。
競合の少ない日程に適度な募集定員の入試を設け、うまく広報すれば、その日の入試枠だけでも偏差値が上がるようです。するとその偏差値が注目されて、ほかの入試日の偏差値も上がるのです。
これを私立中高一貫校の入試広報担当者の間では入試戦略と呼ばれているようです。これがうまくいくと、見た目の偏差値は高くなります。まさにバブル偏差値と呼ばれる所以ですね。
たとえば、ここ数年、関東で急激に偏差値表での位置を上げている私立中高一貫校などは、まさに入試回数を多く設定し、本科とは別に特進的な意味合いの入試枠も設けています。最も人気の入試枠の偏差値だけを見れば、東大合格者を複数名以上毎年出している難関校や名門校と同等以上なのですが、その学校の東大合格者数は1人であったりするのです。東大以外の大学合格実績を見ても、明らかに見劣りするとの事。
急激に偏差値が上がっているということは、2018年に大学を受けた生徒たちが中学を受けた6年前の偏差値で比較する必要があるかもしれないですね。そこで調べてみると、2012年の偏差値表ではすでに、人気進学校とほぼ肩を並べる位置にあったようです。しかし2018年の難関大学の合格者数あるいは現役合格率では、これらの人気進学校のほうが明らかに上であるとの事。
もちろん大学合格者数が学校の価値を表すわけではありませんが、同じ進学校としてこれほどまでに進学実績に差があるのに、中学入試の偏差値上では互角以上の位置にあることには、違和感を覚えるひとも少なくはないのではないでしょうか?
大学合格実績が、学校の価値ではないとは言え、もし中学受験前から既に行きたい大学や就きたい職業がある場合は、その大学や、就きたい職業への道が開ける学部がある大学への進学実績を参考にした方が、偏差値の数字を見たり一時的な人気で選ぶよりは確実かも知れないですね。
中学受験の志望校選びの罠、大学合格実績と偏差値の謎|人気があると進学実績が良いは別
最近では海外大学合格実績やビジネスシーンを意識した教育プログラムが高く評価され、学校全体の人気を引き上げている学校もあるようです。大学進学実績だけでもなく新しい基準で学校を選ぶことは、どんどん推奨されるべきであるとも思います。
一方で、新しい取り組みが本当に功を奏するのか、単にブームに乗っただけのものでないかを見極めるためには、本来、その教育プログラムを受けた生徒さん方が社会人になってからでないとわかりません。
しかし、それを待たずして人気が先行し、短期間で偏差値が跳ね上がるのは、やはり異常だとも言えます。
バブル偏差値は、長い年月を経て評価を積み重ねてきた学校の偏差値とは意味が違うという事とも言えますね。
中学受験の志望校選びは本当に難しいと思うのですが、何を重視するかは本当にその子、そしてその子の保護者の方次第でありますので、自分自身が求めて居るものが本当にその学校にあるのか?その一点だけだと思います。
そこを見誤らなければ、志望校選びはその子にとってはそれで成功と言えると思うのです。
昨年は私も頭が歪むほど、胃に穴が開くほど考えさせられた志望校選びですが、6年間通う事を前提に受験するわけですから、頭が歪もうが胃に穴が開こうが、食欲が無くなろうが、それくらい考えて丁度良いのかもしれないですね。
この記事でのご紹介は以上になります。
最後まで記事をご覧いただきましてありがとうございました。