文科省全国学力調査2018結果から思う事|思考力判断力表現力不足
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この記事では2018年の文科省全国学力調査の結果から思う事についてを
- 文科省全国学力調査2018結果から思う事|自治体が独自に課題を発見する事は困難?
- 文科省全国学力調査2018結果から思う事|調査費用は50億円
- 文科省全国学力調査2018結果から思う事|算数の思考力応用力に問題がありそうです
以上の項目に沿ってご紹介させて頂きます。
文科省全国学力調査2018結果から思う事|自治体が独自に課題を発見する事は困難?
文部科学省が昨日7月31日に公表した全国学力・学習状況調査(学力テスト)の結果は例年同様、基礎的な知識を問うA問題と応用力をみるB問題で平均正答率に大きな差が出たようです。
今年度から小中学校で先行実施されている新学習指導要領には、B問題に反映される
「思考力・判断力・表現力」
の育成が盛り込まれ、2020年度の大学入試改革でも同じ要素を重視する方針が既に決まっています。
全国学力テストの結果は今年度、過去10回分が研究者らに開示され検証されるようですが、課題克服につながるかどうかは今のところ問題も山積みのようで難しそうですね。
今回の全国学力テストのA問題とB問題の正答率の差は、小学校国語16ポイント、算数12ポイント、中学校国語14ポイント、数学19ポイントでした。
これまでの全国学力テストでもB問題の正答率がA問題を上回ったことはなく、思考力・判断力・表現力に代表される応用力の低さが、長年の課題とされてきたいました。
全国学力テスト全体の正答率で上位を維持している自治体でも、この傾向は同じようで、秋田県は今回の正答率が小学校の国語A、Bで1位、算数A、Bで2位、中学校の国語A、Bで1位、数学A、Bで3位と全てにおいて全国でもトップクラスの学力の自治体になります。
その秋田県でもA問題とB問題の正答率は全教科で10ポイント以上の差があります。秋田県の市立小学校の教頭先生のお言葉では
「A問題はドリル型で日々の授業や演習の成果が出やすいが、B問題を解く力は簡単には伸ばせない」
と指導法が確立されていない実情を明かされています。
全国学力テストの結果は各問題の正答率と、質問紙調査と各教科の正答率のクロス集計の2種類で示されております。調査は小学生62項目、中学生59項目の児童生徒質問紙と、小学校73項目、中学校70項目の学校質問紙で行われたようです。
児童生徒質問紙では
- 自分にはよいところがあると思いますか
- 家で授業の予習・復習をしていますか
など、学校質問紙では
- 児童生徒は授業中の私語が少なく落ち着いていると思いますか
- 模擬授業や事例研究など実践的な研修を行っていますか
などを尋ね、それぞれの回答を正答率にクロスさせる調査です。
文部科学省が公表するのは全国のクロス集計のみで、都道府県と政令指定都市については、各問題の正答率と質問紙の回答がそのまま提供され、独自に分析しなければなりません。さらに他自治体の結果が提供されないため、児童生徒や学校の取り組みが正答率にどう影響しているのかを相対的に比較することもできないようです。
この事について名古屋大の教育行政学の教授は
「文科省が提供するデータからは、自治体が独自に課題を発見することは困難」
と指摘されております。
自治体による分析に限界がある中で、文部科学省は今回、全国学力テストの結果公表時期を1カ月早め7月末にし、夏休み中に対策を模索するよう求められたようです。多くの教育委員会は学校の担当者の研修会を早める方針ですが、B問題の正答率の向上に重きを置いた計画は立てれていないようです。
埼玉県の市立中の国語教師の方のお言葉では
「文科省は夏休みに部活指導や出張で分析の時間が取れないことも分かっていない」
と仰るように、私の感想は、現場を知らない文部科学省と現場である学校で子どもの指導をする先生方にかなりのズレがあるように感じました。
そして、1番被害を被るのは、思うように学力が伸びていない生徒たちなんだなと・・・。