2020年から始まる大学入学共通テストとセンター試験との違いは?|英語の評価の仕方
もう一つの特徴としては、英語科目で4技能、読む・聞く・話す・書くが評価されることです。
英語のコミュニケーション能力を重視するといった観点から、これまでのセンター試験で評価していた、読む、聞くに、話す、書くを加えたのが新制度です。
そのため、文科省は4技能評価を行っている民間の資格・検定試験を活用する政策を打ち出しました。
ケンブリッジ英語検定、TOEFL iBT、TOEIC L&R/S&W、TEAP、実用英語技能検定などの試験が評価対象となる予定のようです。
英語の受験にあたっては、2020~2023年度は大学入学共通テスト、民間試験の両方が用意され、各大学でいずれかまたは双方を利用できることとなっています。
大学入学共通テストでは、国語の論述問題の採点方法、英語の民間試験の活用が問題になっているようです。
論述問題の採点および自己採点はどこまで合理的にできるのか?
英語の4技能は民間試験でどこまで測れるのか?
といったまだ正式に具体的な部分が定まっていない部分への議論があるようです。
なかでも英語における民間試験の活用をめぐり、大学によって判断が揺らいでいるという事実もあるようで、2018年9月、東京大学は、受験生に民間試験の成績提出を義務づけないという方針を出しました。
以前から英語教育の専門家からは民間試験の導入について、大学教育に合わないとする意見が根強くあった事も理由の1つでしょうか?
具体的には、試験内容が異なるため難易度に差が出て、それを同じ合格基準点で測ることで試験によって有利不利が生じフェアではないという理由が最も民間試験を評価対象にすることに反対する専門家が提唱している意見になります。
その他にも民間試験で高得点を取るために予備校に通うことになれば、予備校がない地方の受験生や予備校に通えない低所得者層は不利になる、などの理由がその次に挙げられています。
東京大学の方針はその他の大学にも大きな影響を与えるとみられており、大学入学共通テストの船出はすんなりと行きそうにもないというのが大方の見方のようです。