6月15日に閣議決定した大学無償化は本当に必要な政策なのでしょうか?|年間支給額は・・・
そもそもどうして授業料だけではなく、国が生活費まで面倒を見るのでしょう?授業料だけでも例えば、無償化されないギリギリ上回る年収の方々が、親が真面目に一生懸命子どもの為に学費や子どもの生活費を見た場合に、ギリギリ無償化になった家庭とでは、明らかにここで生活レベルが逆転してしまいますよね?
こんな不公平な事があっても良いのか?とまず思うのですが、そのうえ学生の生活費まで補償されるとは・・・真面目に働き収入を上げているのがバカバカしくなる政策だとこれだけでも思ってしまいます。
閣議決定された内容によれば、
〈非課税世帯の子供たちを対象に、学生が学業に専念するため、学生生活を送るのに必要な生活費を賄えるよう措置を講じることとする〉
とあります。
要はアルバイト三昧で学業が疎かにならないように、国が手当てしますというわけなのですが・・・。
ここでも言いたい事は山ほどありますが、それは今回はとりあえず置いておいて国がどこまでの生活費の面倒を見るつもりなのか?先にそちらが気になります。
もちろんなにからなにまで学生の生活費すべてを支給するということはなく、対象は限られるようではありますが、具体的には奨学金を交付する日本学生支援機構の学生生活調査の経費区分に従って、
①教科書・参考図書などの修学費
②課外活動費
③通学費
④食費(自宅以外から通う学生に限り、自宅通い学生の経費を超える額を措置)
⑤住居・光熱費(自宅外生に限定)
⑥保健衛生費
⑦通信費を含むその他日常費
⑧授業料以外の学校納付費(私立学校生に限定)としている。
娯楽・嗜好費は社会通念上妥当ではないため除いている。
という内容です。気になるのは、それでどれくらいの生活費が「タダ」になるのかだろうという事ですよね。
それは文科省は「対象額は今後検討する」としていますが、支援額の目安となるとされる支援機構の学生生活調査結果(2014年)によると、もっとも費用がかかるとみられる一人暮らしの私大生の場合、
①5万100円
②3万1200円
③2万6000円
④15万8600円
⑤42万9700円
⑥3万6400円
⑦15万100円
⑧17万8500円
これを単純合計すると、年間で106万600円になる計算です。
無償化が完全適用される非課税世帯の私大生のケースを考えると、授業料が上限約70万円まで免除されるうえ、年100万円超の生活費が返済不要の給付型奨学金で手当てされる可能性があるのです。
これが「事実上の生活保護」であり、ここまでやる必要があるのかと指摘されるポイントになっている理由なのです。