小学校4年生の国語の教科書に掲載のごんぎつねを習う理由|つぐないの大切さ
- ごんは人間で言えば何歳ぐらい?
- なぜ、兵十にクリやマツタケを届け続けたの?
- それは、いたずらへのつぐないの気持ちだけだったのかな?
- ごんの思いは最後、兵十に通じた?
佐賀県の小学校の教職員の方の授業は、このように、学習目標を変えながらの授業は14コマに及び、10月初めから始まりました。
本文だけで18ページ。子どもたちにとって、教科書でこれほど長文を読み込むのは初めての事になります。
根気と集中が求められるのです。
物語の「起承転結」という言葉を初めて学ぶのもこの教材です。
家や学校での音読、視写を繰り返し、授業が核心に入ったのは連休明けの10月の11日からで、教室の机の配列も、みんなで話しやすいよう「コ」の字型に変えて行いました。
ごんぎつねは、物語の主題の一つが「つぐない」ですよね。
本文には一カ所登場しますが、子どもたちは意味が分からず、まず辞書を引きます。
〈あいてにかけたそんがいを、おかねや品物でうめ合わせること〉
小学生向けの辞書にはそう記されていますが、勿論ピンと来ません。
「最初は『恩返し』と同義語と捉える子もいました」
と教職員の方は仰いました。
ごんはなぜ、いたずらを繰り返したのか?
ごんぎつねは、「ひとりぼっち」もキーワードの一つです。その背後に孤独・疎外感があり、やがて母を亡くして同じ境涯になる兵十への共感にもつながっていきます。
- 「自分の気持ちを伝えたかった」
- 「だんだん、やさしさが増している」
- 「力になりたかった」
など、子どもたちは、それぞれの感想や意見を発表し合い、心情理解を深めていく事が授業の大きな目的の1つなのですね。
10歳の壁。
子どもたちは、10歳前後で思春期へと向かい、心や言葉の変化、成長の試練を迎えます。この物語は、そうしたタイミングに合わせた心の教科書なのかも知れないですね。
この学校の教頭先生は、
「低学年の国語では、文章に書かれていることを学ぶ。でも、この教材では記述から想像力も働かせ、見えない心をどう読み解くのかがポイント」
と、
国語の教材としてだけではなく、自己理解や他者理解、人として成長していくための学びも含まれていると仰います。
ごんぎつねを、10歳で学ぶのはその先、大人への階段を一歩一歩と昇っていく過程で、人に対する思いやりを学ぶ必要がある年だからこそなのかもしれません。
この記事でのご紹介は以上になります。
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